ある映画

映画は限られた上映時間のため、全部は説明し得ない、全部が説明されないところに何とも言えないもどかしさと、逆にそれが素晴らしさを生み出している。そう思っていた。現実世界ではそうではなく、映画のシーン以外の全てのシーンがあり、映画でのストーリーも現実世界であれば、エンディングの後があると思っていた。、、、違った。

映画が断片的だと思っていたが、いまさら人生も断片的なことに気づいた。出会う人も、自分がどんなに愛していると思っている人も、その人のほんの一断片しか知り得ない。その人の自分の知らない過去はおろか、その人の現在さえも断片的にしか知り得ない。もっと言えば、自分のことさえ断片的にしか知っていない。過去の自分はその記憶の不確かさから、断片的にしか知っていない。

上空は風が強いのだろう。朝の青空に目に見えて雲が流れているのが窓から見える。この同じ空の下で、偶然出会った人たちと時間と空間を共にする。思ったより時間は短いかも。その奇跡にもっともっと想いを馳せたい。

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