2008/10/12 日曜日

Gmail添付文書のファイル名文字化けを直す

Filed under: Software — tosh @ 14:37:36
= ISO-2022-JP B GyRCSSxNVz1xTmAbKEI= =.pdf
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こんな風にGmailの添付文書のファイル名が文字化けしている場合を時々経験します。

そんなときは下記の手順で元のファイル名を知ることが出来ます。

BASE64変換 WEBアプリケーション、フリーCGI配布 —ahref.org」などBase64変換をWeb上でしてくれるサイトで直すことが出来ます。

具体的には上記のようにファイル名が
= ISO-2022-JP B GyRCSSxNVz1xTmAbKEI= =.pdf
であれば、
「GyRCSSxNVz1xTmAbKEI=」の部分をコピペして
デコードを選択し、
オプションの「変換時に様々な文字コードを試みる(デコード時のみ)テスト中」にチェックを入れ
「→変換→」
を押します。JIS(=ISO-2002-JP)の部分に元の文字列に変換されたものが示されます。

2008/9/7 日曜日

鉄則!企画書は「1枚」にまとめよ

Filed under: Book — tosh @ 8:33:34

鉄則!企画書は「1枚」にまとめよ

  • p. 16 4つの条件
    • 企画やプロジェクトに関連する全ての事実、予測、条件を簡潔に述べていること。
    • 相手の同意を取り付けるために、効果的で説得力のある言葉で書かれていること。
    • 読み手に具体的な行動を提案していること。
    • これらのすべてが一枚の紙にまとめられていること。
  • P.30 情報を蓄積する
    • 企画の目的を念頭に置いて、情報の在庫確認をする。
    • 企画書のテーマについて確実に分かっていること、知らないことの2つのリストをこの順に作る。
  • p.35 誰に読ませるのか?
    • 企画書の内容やトーンが変わる。その人の関心事・思考様式・行動パターン・経歴に合わせ反応を予測して書く。
    • 企画書の読み手はナンセンスな提案を見抜く鋭いレーダーを備えていると考えて行動している。
  • p.43 質問に先回りする
    • プロジェクトの骨組みは?
    • 計画実施には誰が責任持つのか?
    • コストは?
    • どのような利益が見込めるのか?
    • いまなぜ、そのプロジェクトを提案するのか?
    • 企画のどこがユニークなのか?
    • あなたにはどのような経験があるのか?
  • p.50 8つの要素
    • 順にタイトル、サブタイトル、目的、サブ目的、理由、予算、現状、要望
    • Title, Subtitle, Target, Secondary targets, Rationale, Financial, Status, Action
  • p.54 それぞれのパートを解剖する(理解する)
  • p.60 整理
    • ファイル(紙ベース)或いはフォルダ(コンピュータ)を8つ用意し、集めた資料の全てをそこに分類する
    • 明らかに要らない情報のみを捨て、整理する
    • 優先順位をつける
    • ポイントをワンセンテンスずつにまとめていく、「目的」のファイルから実行
      • リサーチの結果はすべて、いずれかのセンテンスに反映されているか
      • それぞれの記述は、リサーチを通じて得た結論や認識を正確に表現できているか
    • パラグラフにセンテンスをまとめていく
    • 頭を冷やす
      • この企画で自分はなにを成し遂げようとしているのか
      • 言いたいことは全部おさえたか
      • それは明瞭にいえているか
      • 欠けているものはないか
      • 論理に飛躍はないか
      • 根拠を示せていない主張はないか
      • 数字はちゃんとつじつまがあっているか
      • そしていちばん重要な点。企画そのものに十分な説得力があるか
    • 企画書の構成を考えてから実際に執筆するまでの間に、少し間隔を開ける。
  • p.70 企画書の執筆
    • 理由
      • 舞台の設定
        • 読み手の興味をひきつけること
        • あなたがどういう人物で、あなたがどういう知識をもっているのかを読者に伝えること
        • あなたが企画書を書いた動機をかいつまんで伝えること
      • 根拠の提示
      • 売り込み
      • タイミングとスケジュール
  • 刈り込み、見本、体裁についての記載が続く

★★★★★ 読んで良かった。2度目にまとめた。学校教育でも取り上げて良いかと。タイミングの良い人にはうってつけの本になるかと。

2008/7/27 日曜日

そろそろ感染する癌について一言いっておくか

Filed under: Science — tosh @ 5:34:58

癌を専門に特に最近は免疫学の側面から研究を続けてきたのでそろそろ一言いっておかねばならないかなと。

半年ほど前のこと、、、

同じ職場で働いている友人の免疫学者H氏
「癌て感染することもあるのですね。免疫の進化は主に細菌とウィルスへの対抗手段として発達し、癌は各個体で終わるから進化の淘汰圧にはならないという考え方は改めないといけないかも知れませんね。」

私「あ゛っ?」「(3秒ほど考えた後で)いや無いと思うよ、マジで。ありえない。まず、どうやってアロのバリアーを先ずクリアーするんだ?ソースは?怪しげなネットじゃなくて?とりあえずリンク送って」
(心の中で)「H氏確かに癌は非専門だけど、免疫は俺より良く知ってるし、マジ優秀なのに何言ってるんだ?無いだろ普通」

H氏「http://ghop.exblog.jp/4115367/ とりあえずこれを。」

私「やっぱりブログか、ん、しかしソースのリンクが張られているぞ、感心感心。Natureの方をクリック、、、って、リンク先切れてるし、、(日本国内からのみ有効なURLの様子)」

気を取り直してURLをいじって記事にアクセスし、ザクッと読んで見た http://www.nature.com/nature/journal/v443/n7107/full/443035a.html

私の直感は間違っていると同時に合っていた。そこにはいつもながらの「言葉」のトリックが。言葉は神であると同時に罪作りでもある。

私のEmailでのH氏への返答(2008.2.14)

「ザクッと読んだけど、本当みたいだね。しかし染色体が正常78個の染色体が58-59個になっているって、それはもう癌というよりも別生物だね、自分の感覚では。染色体分析は白血病・リンパ腫では固形癌と違ってルーチンの検査で出すのだけど、1個でも染色体欠失があるのは珍しいほう。2個欠失は本当に稀。

アロの個体同士だって99.9%ゲノムレベルでは同じだし、癌だって90%以上ゲノムレベルではホストと同一というのが何となくの感覚。だからこそホストの免疫が見逃した奴をアロが叩ける。しかし、20個染色体が平均して無くなっているって、何それの世界。アロもMHCもへったくれもないね、こりゃ。犬の免疫系をすり抜けられる犬のゲノム由来の別生物って感じかな感覚としては。

全ての犬に対してFull AlloとXenoの間のような存在だね。それこそXeno Toleranceの良い研究の系になるのでは?犬以外の種にも感染するのかな?人にはあったら、何らかのきっかけでとっくに見つかっている気がするので、多分無いと思うが。それから、この手の癌(生物?)からの対抗手段として免疫系が発達したってのも、にわかには??動物界に属する生き物で、この手の生命体の存在がどのくらい一般的なのかで大体の全体像は掴めると思う。

いやでも全く僕の知らない知見で面白いことは確か。ありがとう。」

以上は送ったまんま。別にこの話題は放置しておいのたが、今日気になるエントリ
http://blackshadow.seesaa.net/article/103592445.html
を読んでしまったので記事にした次第。

今朝の私
「進化論に関して誰か知らないがメディアに露出している怪しげな輩を叩いているらしい、感心感心、、、ってこの人も感染する癌とかエントリー書いていて、、(読んでみた)、、んー しかし感染する癌っていう表題、誤解招きやすいよなぁ。一言言っておくか」

一言言っておき、防がなければいけない風評は下記のような会話

(主婦)「Aさん癌になったんですってねぇ、大変だからお手伝いしようかと」
(知ったかぶり輩)「でも犬では癌が感染することありますから、人でも無いとは言えないかもしれません。止めておいたほうが良いのでは」

無いです。人の癌自体は感染しません。このエントリーで言いたいのはそれだけです。
その理由はH氏の返答に要約されています。

これらの一連の知見で一番罪作りなのは、この「感染する主体」に対して「癌」という言葉を使ったことです。他に良い言葉は無いですし、仕方無いのですが、私たち医師、医学研究者が人の癌と呼んでいるものからするとかけ離れたものになります。この「感染する主体」は犬のゲノム由来の新たな生き物(別種)として紹介された方が混乱が無かったようにも思います。このあたりは対象と言葉が一対一対応しないことの限界ですね。

このエントリー、特にH氏の返答部分については免疫学のベースがなるべく無くても分かるように質問に応じて説明を付け加えて分かりやすくしていこうと思います。先ずは書きそびれないように勢いのみで記載しておきます。

2008/7/20 日曜日

MouseoverDictionaryをFirefox 3.0.1で

Filed under: Software — tosh @ 6:33:34

 2008.9.29 追記 本家サイト にてFirefox 3.0.2にても支障なく使用できる最新版0.6.4が公開されました。問題なく使えています。

Firefoxには最小限のAddonを入れるように努めているMouseoverDictionaryは欠かせない。
これは英辞郎が必要であるが、英文サイトを読むのには私にとってはこれがベストの環境である。
しかしなぜか私の環境(WindowsXp, FirefoxPortable)では最新版の0.6.3は使えず0.6.2を使っていた。
しかしこれもFirefox 3.0→3.0.1へのアップデートで使えなくなった。

0.6.2ではショートカットのAlt+NがFirefoxのデフォルトの検索ウィンドウのショートカットと重なっていたので、これも同時に0.6.3でうたわれているAlt+Mへの変更も同時にしたい。重い腰を上げてAddOnファイルをいじってみることにした。

以上の変更を加え、Firefox 3.0.1でもインストール可能、かつショートカットをAlt+Mに変更したものが下記です。
クリックすることでインストールできます。辞書自体のインストールは本家サイトを参照下さい。
mouseoverdictionary-0.6.2-ts1.xpi

行ったことは下記の通りです。まず本家サイトの下の方にある
downloadというセクションよりmouseoverdictionary-0.6.2.xpiというファイルを右クリックから「リンク先を保存」を選び保存します。

拡張子がxpiのファイルもjarのファイルも基本的にはテキストファイルのzip圧縮。
先ずはmouseoverdictionary-0.6.2.xpiをzip解凍して中身を見てみた。

まずinstall.rdfというファイルにインストール可能なFirefoxのVersion情報があったので下記に変更

<em:maxVersion>3.0</em:maxVersion>
→<em:maxVersion>3.0.1</em:maxVersion>

次に\chrome\mouseoverdictionary.jarというファイルをzip解凍すると
\locale\en-US\mouseoverdictionary.dtdというファイルにショートカットの情報があったので下記に変更

<!ENTITY openMouseoverDictionary.commandkey "N">
→ <!ENTITY openMouseoverDictionary.commandkey "M">

後は順次解凍したフォルダをzip圧縮後、ファイル名を元に戻します。
まずcontent,locale,skinの3つのフォルダをzip圧縮し、mouseoverdictionary.jarにファイル名を変更
このファイルをオリジナルのmouseoverdictionary.jarに上書きし、
更に全体をzip圧縮後、拡張子をxpiに変更。ファイル名は何でも良いが、上記のリンクでは
mouseoverdictionary-0.6.2-ts1.xpiとしました。

最後に、このファイルをFirefoxのウィンドウ(ウィンドウは何が開いていてもOK)にDrag&Dropし、指示通りインストール 。
うまくいっていれば辞書登録後、Alt+Mで使えるようになる筈です。以上です。

2008/7/11 金曜日

言葉と宗教

Filed under: Book, Essay — tosh @ 19:37:19

今、ラボで一緒に働いている日本人は移植外科医と免疫学者だが、話していてとても面白い。金曜日4時からはHappy hourというビールを飲みながら研究室の脇のキッチンエリアでダラダラだべるのが、うちのラボのお決まりである。今日は周りで談笑 している非日本人に悪いなと思いつつ、その2人と日本語での会話にのめりこんでしまった。2人とも日本史、世界史、近代史まで良く知っており、宗教や言語学にまで造詣がある。

宗教を語るに、立花隆の「猿学の現在」を引き合いに出してみた。人にしか無いと思われる多くのものが既に猿の世界に存在することがこの本で分かる。芸術と同じく、猿には宗教は無いのではないか?という質問を投げてみた。これに対し、H氏は宗教が必要になる心因的な要因は猿にも既に存在するのではないかということを死んだ子供の面倒を見る猿の親を例にして出していた。そうかも知れないなと思った。それに対し、形式化したものでないと宗教とは言えないのでは無いか?とO氏。それもそうだなと。それでは文章に書いて伝えることなどが必要なのではないか、と私が言うと、それは違う、巫女などは一子相伝のような形で 書物が無い状態でも宗教を形式化したとH氏。それでは言葉は必要なのではないかと言うと、それはそうかも知れないと。これに皆反論は無かった。

ここでウンベルトエーコの「薔薇の名前」のキャッチフレーズがピンと来た。これには感動した。勘違いかも知れないが、自己満足には十分な納得であった。この本・映画は「ヨハネによる福音書」の引用から始まる。 「はじめに言葉があった。言葉は神とともにあった。言葉は神であった。」 なるほどそうなのかなあと。この言葉は妙に気になっていただけに、少し嬉しかった。原作も機会があったら読んでみたい。

In the beginning was the Word and the Word was with God, and the Word was God.

2008/6/8 日曜日

中傷と陰謀 アメリカ大統領選狂騒史

Filed under: Book — tosh @ 17:43:11

中傷と陰謀 アメリカ大統領選狂騒史

p.97 極端な主張というものはわかりやすいうえ、複雑な要素を捨象するのてストレートに伝わり、かつ正論であるように思われる。そして、それをいう人間を正直で尊敬すべき人間に思わせる効果がある。

p.112 現実が変化するスピードは加速度的に速くなり、あらゆるものが日々めぐるましく変わっている。民意もしかりだ。もはや自分の主義主張を後生大事に守っている時ではない。現実を動かすためには、現実に合わせて自分が変わらなければならない。それは好きとか嫌いとかの問題でも、正しいとか間違っているとかの問題でもない。本当に現実を変える気があるのかどうかという問題だ。だからこそ、ジョンソンのような古いタイプの政治家でも、最も汚い「ひなぎく」を使うのだ。

大衆が望んでいること、大衆の反応、政治家の本質、ひいては人の本質と言えるところまで外挿できそうな表現があり好感が持てた。内容も理解可能。文章も分かりやすい。政治を見る目がこれで変わる。露出する際の心構えとしても大変役に立つ。読んでよかった。

評価:★★★★★

2008/2/23 土曜日

それぞれ異なる天賦の才能

Filed under: Sports — tosh @ 7:16:14

錦織圭

元気でる。本当に。

感心するのは松岡 修造。野球の落合監督といい、天才と呼ばれなかった人が頂点を目指してぎりぎりまでやった場合、その人は類稀なる指導者になれるのだろうな。

元気が出た。頑張れ!

錦織圭(1/2)

錦織圭(2/2)

2008/1/25 金曜日

骨髄移植・腎臓移植と橋渡し研究(Translational Research)

Filed under: Science — tosh @ 10:19:56

うちのラボが何十年もやってきた一番のお題目、骨髄・腎臓同時移植がやっと形になり、New England Journal of Medicine (NEJM)に発表と相成った。

データ自体は何年も前からあり、何故、一流紙への発表が無いのだろうと思っていたが、内部・外部ともに色々あってそう簡単では無かった様子。これはBrief Reportなのだが、新聞には載るは、ラジオでは放送されるはで一流紙に載るか載らないかでは全く反響が違うと今更ながら再度実感。日本の新聞さえにぎわしている。

「白血球の型が完全には一致しない家族から生体腎移植を受ける患者に、臓器提供者の骨髄も一緒に移植して拒絶反応を抑えることに、米マサチューセッツ総合病院などのチームが成功した。」 とまあ要約されるとこうなるから複雑な思い。「成功した」と言えば成功例はもう何年も前に存在し発表しているし、「治療全例で100%うまくいくか」というとそんなことはなく、成功率は高いものの未だ実験的治療の段階を出ていないことは間違いない。このタイミングでニュースになるのは単にNEJM紙上に発表された以外の理由は何も無い。

学問的な知見を実際の治療へと結びつける研究は、科学を実学に翻訳(Translate)するという意味から、Translational Researchと呼ばれる。NEJMに載る載らずに関係なく、個人的にはこのラボが何十年もかけてやっているTranslational Researchとその産物であるこの治療法は素晴らしいと思っている。

腎移植を受けた患者さんは副作用のある免疫抑制剤を一生飲み続けなければならない。まだ数症例であるが、そのうちの一例に確か10代後半の女の子がいた。この子は骨髄・腎同時移植を受け、薬を飲まない状態というのを初めて味わったときに、「体の調子ってこんなに良くなるものなのだと生まれて初めて知ってとてもびっくりした」と言っていた。それが印象的であった。この治療を受けなければいわゆる普通の人生は送れなかったことは先ず間違いない。日常の様々な制限、薬の副作用、移植した腎臓の慢性拒絶。恐らくこの子は本当に運が良かったとしか言いようが無いと思う。天と地の差である。例え1人であってもこういう形で人生に影響を与えられるというのはやる気がでるものだなと思ったことを今も強く覚えている。

ハーバード大学医学部には「ハーバード大学医学部附属病院」という名の病院は無い。関連施設としての有名な附属病院が幾つもあり巨大なセンターを構成している。その中で直属と目され、最も古く、医学系全分野の治療を行っているのがマサチューセツ総合病院(Massachusetts General Hospital, 通称MGH)である。ここTransplantation Biology Research Center(移植生物学研究センター, 通称TBRC)はMGH内にあり、その名の通り「移植」というテーマに向けて様々な研究をしている。移植の基礎的な研究は元より、移植を用いて病気を治すという視点からは臓器移植による臓器機能回復と骨髄移植による癌治療の2点が柱となっている。メインのスタッフが元々免疫学者の素養が極めて高いというか免疫学を作ってきた人そのものなので、学問的な深みがあり面白い。

NEJM論文の筆頭著者である河合達郎先生は、第一にとてもバランスの取れた良い医師という印象がとても強い。TBRCへ研究留学後一度日本に戻るも再度ボストンに渡ってきて、米国医師免許を取得。現在ではMGHの移植外科医として中核をなし、日々、患者さんへの臓器移植を手がけている。また大動物を使った臓器移植の研究も精力的に行っている。科学的な目を持ちながらも常に患者さん、治療のことを考えて日々を送られており常々敬服している次第。何でも要領よく数年でこなすというタイプでは無いように感じる。10年掛けて打ち込んできた事がNEJM論文の筆頭著者ということで陽の目を浴びたわけである。とても嬉しく思う。

日本でもTranslational Researchを「橋渡し研究」と呼び、治療の現場と医学研究を相互につなぐということが現在 はやりになってきている。名前だけでなくTBRCでなされているような本当の意味でのTranslational Researchが効率良く行われるシステムを日本に作るために、いつか助力できれば幸いである。

2008/1/22 火曜日

Macintoshで作成したワード、パワーポイントのファイルで図・イメージが表示されない

Filed under: Software — tosh @ 12:45:51

ワードの書類中の図表が表示されないので、助けて欲しいという連絡を受けた。
ワード書類を送ってもらうと確かに図の変わりに

「            QuickTimeý Dz.
       TIFFÅiLZWÅj êLí£ÉvÉçÉOÉâÉÄ.
ǙDZÇÃÉsÉNÉ`ÉÉǾå©ÇÈǞǽDžÇÕïKóvÇ-ÇÅB. 」

こんなものが表示されている。QuickTimeと書いてあるところより「多分Macで作ったワードがおかしいのだろうな」と推測

解決したが厄介だったのでMacを使わずにWindowsのコンピュータだけで画像ファイルを入手する手順を示しておく

とりあえずここが唯一の情報だった。以下、それを具体的にやってみたところ。

  1. 問題となっているワードあるいはパワーポイントを開き、ファイルメニューからウェブページとして保存(File > Save as Web Page…) を選んでウェブページとして保存。ここでは仮に「sample.doc」が元のファイル名だとする。そうすると「Sample.htm」というファイルと「Sample_files」というフォルダが出来る
  2. Sample_filesというフォルダの中身を見てみる。この中に拡張子が.pczというファイルがあれば間違いなくMacからの移行が問題になっていると思われる。.pczという拡張子を持つファイルはMac特有のPICTファイルをさらに圧縮したファイル形式である。
  3. pczという拡張子のファイルを解凍してPICT形式のファイルにする必要がある。これがなかなか対応プログラムが見つからない。 Total Commanderというシェアウェアを見つけて解決した。Wikipediaにも載っている由緒正しきファイラーらしい。シェアウェアだがメッセージがでるだけで登録・支払いをせずとも機能制限無く使える。
  4. このソフトを使って.pczというファイルを解凍する。ファイルをクリックしてメニューバーの「Start」の真下辺りにある「unpack all」アイコンをクリックして指示に従えば良い。解凍したファイルは.pctなどPICTファイル用の拡張子を適宜追加しておく
  5. まあ、ここからはPICT→GIF, JPEG, PNG, TIFFなど画像ファイルの形式を変えられるソフトなら何でもOK。ここでは定番のフリーの画像処理ソフトIrfanViewを使った。これもデフォルトではPICTファイルを読み込めなかった。ホームページからプラグインをダウンロードし、その中に含まれているQuicktime.dllをC:\Program Files\IrfanView\Plugins に入れてやる必要があった。これでIrfanViewを再度立ち上げやっと上記のPICTファイルが読み込めた。
  6. 後はIrfanViewでTIFFなど汎用の画像ファイルに別名保存すればWindowsで自由に扱えるようになる。元のワード、パワーポイントに張りなおすことももちろんできる。

全く手間のかかるバグを残してくれる。Word 2007, PowerPoint 2007になっても直っていないとのこと。

2007/12/26 水曜日

「万能か全能か、医学と科学」を読んで

Filed under: Science — tosh @ 7:30:14

柳田先生の発信する内容はいつも感じることが多いのですが、今日はあまりに反応が強かったので散文になりますが書いてみます。

なぜ明快に書けないのか―英語医学・科学論文の診断と治療 (単行本) Lester S. King (著), 助川 尚子 (翻訳), 日野原 重明 (翻訳)
という
Why not say it clearly: A guide to scientific writing (Hardcover) by Leste S King (Author)

の訳本があります。これは科学論文を書く上での手引きとして名著だと思っていますが、絶版のようですね。価格が原著の10倍以上しているのは驚きです。確か、この本の序文に何故医者が科学論文を書くようになったのか、その歴史的経緯とひずみが端的に書かれていたのが強く記憶に残っています。医者らし い医者、医者らしい医学研究をする友人、医学とかなり乖離した研究をする医師免許を持った人々、純粋基礎研究者の友人、医者かつ医学研究者である父を持 ち、自分が現在同じ職についているという環境から、生物学という純粋科学の価値観と医学という実学の価値観に関しては常に関心を持っていました。更に研究 にはお金がかかります。

それゆえこのエントリーには反応してしまったのだと思います。人を幸せにすべく存在する医学、そのための研究であるはずの医学は生物学・分子生物学 と密接に絡み合い、評価の基準は純粋科学の評価基準と実学としての評価基準そしてビジネスとしての評価基準がない交ぜになって混沌としています。頭の良い人、流れに上手く乗ることが出来る人はその混乱の中を泳いでいきます。このあたりの混乱についてはいずれまた書きたいと思いますが、柳田先生のエントリー はそれを分かりやすく表現されています。

反応したもうひとつの理由はStem Cell Biologyでの命名についての常日頃の疑問と柳田先生のコメントが気になったからです。pluripotentは多くの系列に分化可能であるという意 味で多能性と訳され、全ての系列に分化可能という意味ではありません。全ての系列に分化可能という能力についてはtotipotentという別の言葉あ り、日本語訳は全能性です。万能性という言葉に対応する元の英語が何なのか私は知りません。

大切な仕事をした人ほど、正確な命名を心がけ、レベルが落ちる人ほどStem CellやES Cellというインパクトの強い言葉を使いたがる気がします。そういう意味でiPSというのは控えめであると同時に極めて正確な小気味良い命名だと思います。同様の命名にSRC(SCID-repopulating cell/SCIDマウスの中で再度分化・増殖する細胞)という名前を付けたJohn E. Dickという基礎研究者がいます。彼はCancer Stem Cellという今までの常識と逆の概念を初めて世に持ち出し、その後一つの分野を作った現存する偉大な研究者です。その後もStem Cellの基礎的かつ大切なBiologyを研究し続けています。彼はStem Cellという言葉を用いずSRCという言葉を用いました。山中先生と同じ空気を感じます。その後、主に固形臓器におけるStem Cellを見つけたと主張する論文、何に対してもStem Cellと名づけたがる著者達と一線を画します。

ESに関しても同じ事が言えます。私はノックアウトマウスの作成システムを研究室で立ち上げたことがあり、100%キメラでもGermline Transmissionが行かないことを経験し、分化能で最初に落ちるのは生殖細胞への分化能力であるということを身を持って体験しています。それからすると、ヒトES細胞と今呼ばれているものが、ESと呼ばれたその瞬間から「ES細胞」の定義が根本的に変わってしまったと思っています。ES細胞樹立という受精卵の内部細胞塊から樹立したライン由来の個体を作成するという技術はマウスでしか成功していません。大動物はおろか、ラットでさえ試みられては失敗しています。ヒトに関しては倫理的な問題から永遠に不可能でしょう。各臓器へのContributionがあることと一個体を再構成できる totipotentialは別個のものという認識が私の中では強く、ES細胞のみからの個体発生という最大の難関を証明していないいわゆるサルESやヒトESというのは一体何なのだろうと私は思っています。命名は大切です。サルESやヒトESは全ての臓器になりうる(と発現マーカーを持って信じている、信仰、、、)万能細胞かもしれませんが、決して全能性細胞ではありません。

山中先生の最初のCellのペーパーでは多能性、或いは各臓器にContributeできるという万能性が示されただけでした。隅から隅まで読んでもGermline transmission(iPS由来の正常な生殖細胞が作られ、その生殖細胞由来の次世代の個体が作られること)が記載されず、以前に一緒に研究していた友人と「やっぱりGermlineは難しかったんだね、もしこれが行ったら衝撃だよね」と話しているのを覚えています。そして、NatureにてGermlineに乗ったという論文が出されたわけです。これは衝撃でした。というかCancer Stem Cellと同じく、証明されていないが研究者が持っている感覚的な常識を覆したわけです。

「癌はある細胞が一定の段階にあるときに癌化し、その分化段階での形質を癌化後も維持する」という考え方が常識だったときに、シンプルに、正確に「白血病において癌化は幹細胞の段階で起きるが癌化が起きてもなお分化のプログラムを正常に進行しうる。癌の本体は癌全体の1%にも満たない特殊な癌幹細胞にある」ということを示したJohn E. Dick。Nuclear transferを見ても分かるように「Stem Cellの機能は極めて可逆化し辛く、多くの遺伝子による複雑な制御を受けてる」という考え方を皆何となく感じているときに「4個の遺伝子(今では3個)を皮膚の分化済み細胞に入れることにより全能性が得られる」という肌で感じる常識を覆した山中氏。

山中先生の研究がCellのペーパーに論文化される数年前かThe International Society for Stem Cell Research (ISCCR)で超飛び切りの話題になった時から友人と「これもお金になる特許やら実用の面では米国にやられるのでは」と話していました。NatureでGerm Line Transmissionを示す段階で追いつかれました。物凄いスピードです。柳田先生のコメントにもそのあたりを意識したコメントが散見されます。資源の無い日本、世界有数の教育レベルを保ち、頭を使いそれをお金に換える努力が必要です。山中先生の仕事はそこに直結します。その辺りの周辺状況、柳田先生のエントリーを見る限り、今までよりは随分良いようで少し安心した次第です。

日本人などが大切な分野でトップを走り始めたときに、追い上げ抜かして制覇しようとする外国勢特に米国のそれは凄いものがあります。近年では坂口志文先生のregulatory T cellがその良い例です。直接お話したときに「Biologyをやりたかったが、何らかの遺伝子を取らない限り分野そのものを持っていかれてしまう」という話を聞いたときには坂口先生という人は凄いなと思いました。その後、坂口先生はTregにFoxP3ありきを示し、クローニングしたわけではありませんが、その分野の第一人者であることを実力で認めさせたように思います。アメリカの中心であるNIHにいる名前は出しませんが、Tregの第一人者とされている人が以前は出さなかった坂口先生の名前を必ず発表のイントロに入れるようになったそうです。

何でもブームがあります。少し前は遺伝子治療がその名前の下に大きなお金が流れ、現在は再生医療です。結構わけの分からない研究に多くのお金が落ちていると聞きます。遺伝子治療はヒトでの失敗(ベクター由来の癌の発生、遺伝子導入効率のマウスに比べての異様な悪さ)で多くの人が撤退しました。山中研究の面白いところはその基盤に遺伝子操作が必須であるところです。臨床応用という華やかな舞台から、ベクターの作成という極めて地味な所まで、撤退したことにより時流に敏感な多くの人は研究を止めました。ここHarvard界隈でも遺伝子治療の研究室は現在は一つもないと聞きます。ファッションに流されず地道に研究を続けていた人たちに山中先生の発見で陽が再度当たることになるでしょう。これもまた小気味良い気がします。

今後もこの分野は目が話せません。是非全てが良い方向に向かうように願っています。

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